初心者におすすめの資産運用はどれ?プロが教える投資の種類とリスクの抑え方

2021.7.7

資産運用の初心者の中には、運用に失敗して大きな損失を被るのが心配という人も多いのではないでしょうか。最初の運用で大きな失敗をすると投資家としてのマインドが傷ついて、「もう資産運用はしたくない」と思ってしまうかもしれません。

この記事では、初心者が取り組みやすい投資手法とリスクを軽減する方法について紹介します。

 

そもそも資産運用とは?種類やメリット・デメリットを解説 

 

資産運用の意味、リスクとリターンとは?

資産運用とは、自分が持っている資産を株式や不動産に投資して増やしたり、利益を得たりすることです。資産運用で得られる収益のことを「リターン」といい、リターンの振れ幅のことを「リスク」といいます。

リスクとリターンの関係は表裏一体であり、「リターンが大きければリスクも大きくなる」「リスクが小さければリターンも小さくなる」という傾向にあります。つまり、大きな収益を得ようとすると大きな損失の可能性も生じる、ということです。

資産運用にはいろいろな種類があり、それぞれに特色があります。次から主なものをリスク別に紹介します。

 

【ローリスクの資産運用】安全性を重視する人向け

 

預貯金

預貯金は資産運用の一種といえます。特徴としては元本保証で安全確実、また使いたいときにお金を使える流動性の高さがあります。しかし現在は超低金利のため、資産を大きく増やすことは期待できません。

 

外貨預金・外貨建てMMF

外貨預金・外貨建てMMFは、ともに円より金利の高い外貨に投資する金融商品です。外貨建てのため購入時・換金時ともに為替手数料がかかり、為替の変動によって差損や差益が発生する可能性があります。

 

貯蓄型保険

生命保険の中でも終身保険、個人年金などには貯蓄性があります。一般的に生命保険の将来の受け取り額は契約時に確定しますが、早期に解約すると元本割れする可能性が高くなります。

 

債券投資

債券とは、国や企業が投資家から資金を借りたときの借用証書のことです。債券の発行体は投資家に対し、決められた利息の支払いと返済日を約束します。そのため、投資家にとっては利益がわかりやすい投資です。

 

金投資

金は宝飾品としてだけでなく、現物投資の対象にもなっています。金を保有していても利息は付きませんが、現物のためインフレリスクに強く、価値がゼロになることはありません。

 

【ミドルリスクの資産運用】リスクを抑えながらリターンも得たい人向け

 

ETF(上場投資信託)

ETF(上場投資信託)とは、取引所に上場していて、株式のように売買できる投資信託です。自分のリスク許容度に合ったファンドを選んで分散投資をすることができ、コストも投資信託に比べて安いのが特徴です。最低1万円程度から購入できるので、初心者でも気軽に始められます。

 

REIT(不動産投資信託)

REIT(不動産投資信託)とは、投資家から集めた資金で投資法人が不動産投資を行い、収益を分配する仕組みです。取引所で売買するため換金性が高く、最低投資額も数万円からと、現物投資よりも初心者向きの資産運用といえます。

 

【ハイリスクの資産運用】収益性を重視する人向け

 

株式投資

株式投資とは、企業が発行する株式を買って配当金や値上がり益を得る資産運用で、投資額が数十万円程度と比較的高額になります。値上がり益を狙う場合、高い収益を期待できる反面、大きな損失を被るリスクもあります。

 

FX(外国為替証拠金取引)

FX(外国為替証拠金取引)は、外貨の売買を証拠金によって行うもので、実際の取引金額より少ない資金で取引できます。気軽に始められますが、短時間で大金を失う可能性もあるハイリスクな投資です。

 

仮想通貨

仮想通貨とはデジタルデータとして存在する金融資産です。さまざまな種類の仮想通貨がありますが、取引所で数百円程度から購入できるものも多く、気軽に始められます。しかし値動きが激しく、損失を被るリスクも高いため注意が必要です。

 

資産運用をするメリット

 

ライフプランに沿った資産形成ができる

人にはそれぞれ、子どもの進学、住宅購入、旅行などのライフイベントがあり、ライフイベントには支出が伴います。現在の超低金利下で、希望する資金を預貯金だけで準備するのは困難です。資産運用を取り入れて効率的に資産を増やすことで、個人個人の将来の願望を実現しやすくなります。

 

家計を見直すきっかけになる

資産運用を始めようとした場合、ほとんどの人は家計の見直しをすることになるでしょう。家計を見直してムダな出費を抑え、投資に回せる資金を少しでも多く確保することが資産形成の第一歩だからです。住宅ローンを借り換える、保険を見直すなど、資産運用をきっかけに家計を見直しましょう。

 

資産運用のデメリット

 

元本割れの可能性がある

資産運用では将来の利益が確定しないだけでなく、元本割れを起こす可能性もあります。このことを頭で理解していても、初心者がいきなり損失を被ると精神的なダメージを負うかもしれません。

資産運用とは長期の視点で行うものなので、本来は短期的な値動きに一喜一憂しないほうが賢明です。徐々にリスクに慣れながら、リスクをコントロールする方法を身に付けていきましょう。

 

手間と時間がかかる場合がある

元本保証の金融商品であれば、購入さえすればあとは「ほったらかし」でかまいません。しかし、投資をする場合は最低限の知識を身に付け、情報収集をすることが必要です。また、確定申告が必要になる可能性もあります。

知識や情報収集は、資産運用だけでなく生活していくうえで役立つことも多いため、視野を広げるチャンスと考えましょう。

 

投資初心者におすすめ!簡単に始められる資産運用方法

ここでは、上記のローリスクな手法以外に、初心者が気軽に始められる金融商品や投資方法を紹介します。

 

元本保証がある個人向け国債

個人向け国債とは、国が発行する個人を対象にした債券で、1万円から購入できます。10年債・5年債・3年債があり、10年債は変動金利で5年債と3年債は固定金利です。

半年ごとに利子を受け取ることができ、利子には0.05%の最低保証があります。また、1年経過すると中途換金が可能で、その場合でも換金額は投資額を下回ることはありません。大きな利益は期待できませんが、投資で損をしたくない初心者に適した金融商品といえます。

 

プロに運用をお任せできる投資信託

投資信託とは、不特定多数の投資家から集めた資金を運用のプロが株式や債券などに投資して、得られた収益を分配する金融商品です。証券会社だけでなく銀行や郵便局でも購入でき、ネット証券の中には100円から投資できるサービスを提供しているところもあります。

投資信託1本の中に株式や債券の複数銘柄が組み込まれているため、投資信託の購入は間接的な分散投資になります。元本は保証されていませんが、投資信託は商品ごとに運用方針が決まっており、リスクが高いもの・低いものと選択肢がたくさんあります。そのため、初心者も上級者も自身に適した商品を見つけやすくなっています。

 

税制優遇を受けながら老後資金準備ができるiDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(個人型確定拠出年金)は加入者である個人が掛金を拠出し、自分で選んだ商品で運用した年金原資を60歳以降に受け取る仕組みです。公的年金を上乗せする自助努力の手段であるため、3つの税制優遇が受けられます。

  • 拠出する掛金は全額所得控除の対象になる
  • 運用中の利益には課税されない
  • 積立金の受け取り時に一括受け取りなら退職所得控除、年金受け取りなら公的年金等控除の対象になる

原則として60歳まで引き出しができないことに注意は必要です。掛金は毎月5,000円からなので、無理のない金額で始めるといいでしょう。

 

非課税メリットを受けられるNISA・つみたてNISA

株式や投資信託で運用をして利益が出ると、得られた利益に対して20.315%の税金がかかります。ところが、金融機関にNISA口座またはつみたてNISA口座を開設し、その非課税限度額内で投資した場合には、運用益に課税されません。

両者の特徴は次の通りです。

NISA つみたてNISA
1年間の非課税枠 120万円 40万円
投資期間 最長5年(ロールオーバーあり) 最長20年(ロールオーバーなし)
対象商品 投資信託、上場株式、ETFなど 金融庁の基準を満たした投資信託、ETF
投資方法 一括購入、積立ともに可 積立のみ

NISAとつみたてNISAは、どちらか1つしか口座を作れません。金融商品を買う場合は、非課税枠までいずれかの口座で行うようにしましょう。

 

AIに運用をお任せできるロボアドバイザー

ロボアドバイザーは、人工知能(AI)がポートフォリオの提案をしたり、運用代行をしたりするサービスです。投資のアドバイスをしてくれるアドバイス型と、投資を代行してくれる投資一任型があります。

最低投資金額は1,000円から1万円程度に設定されているサービスが多いです。ロボアドバイザーは手間をかけずに少額からの投資ができるため、初心者が利用しやすいといえます。

元本割れのリスクはありますが、AIの分析は人間の感情を排除した客観的なものであるため、初心者がいきなり投資するよりも堅実にリターンを得ることが期待できます。

 

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングはインターネットなどから出資者を募り、調達した資金で不動産投資を行い、家賃収入や売却益を分配する新しい不動産投資の仕組みです。多くのサービスでは1口1万円から投資が可能です。案件1つにつき物件も1つのため、複数の物件に投資をすれば分散投資になります。

投資した物件が値下がりした場合などに元本割れのリスクが生じますが、少額からの投資が可能なため初心者向けの資産運用といえます。

 

初めての投資で損しないために。資産運用のリスクを抑えるコツとは?

最後に投資の初心者が損失を避けるために、リスクを抑える方法について解説します。

 

長期の運用を目指す

短期間で売買を繰り返す運用スタイルは、大きなリターンが期待できる反面、失敗して大きな損失を被る可能性も高くなります。一度購入した金融商品を長期で保有すると、一時的に価格が下がることがあっても再び上昇に転じることもあるため、短期売買に比べリスクは少なくなります。

 

複利効果で資産を増やす

複利とは、運用によって得た利益を投資元本に組み入れる方法です。単利より多くの収益が得られる方法で、運用期間が長くなるほど複利の効果は大きくなります。

以下は100万円を年3%で運用した場合の単利と複利の比較です。年数が経つほど両者の差は大きくなります。

1年後 5年後 10年後 15年後 20年後
単利 103万円 115万円 130万円 145万円 160万円
複利 103万円 115万9,274円 134万3,916円 155万7,967円 180万6,111円

 

積立投資の活用

初心者が投資をする際に最も難しく感じるのが、取引のタイミングではないでしょうか。「安く買って高く売る」ことは理想ですが、運用のプロでもなかなかうまくいかないものです。

一括購入のタイミングは難しいものの、ある金融商品を1カ月に1回のように何回かに分けて購入すると、購入価格がならされる効果があります。つまり積立投資を行うことによって、運用商品の価格変動リスクを減らすことが期待できるのです。

 

分散投資を心がける

投資の格言に「卵を1つのカゴに盛ってはいけない」というものがあります。これは、投資対象を一極集中させてしまうと、その資産の価値がなくなったときに全財産を失うリスクがあることを意味するものです。

分散投資には「資産の分散」と「地域の分散」があります。資産の分散とは、株式や債券など値動きの異なる複数の資産で運用することです。地域の分散とは、日本と先進国、新興国のように異なる地域に分けて投資することです。

投資をする際は投資対象を1つに絞らず、分散させて投資することを心がけましょう。

 

少額投資から始める

初心者の場合、いきなり本格的な投資をするより、投資のリスクに慣れるためのトレーニングを経験するほうがいいのではないでしょうか。少額投資は、初心者が投資を学ぶために適した方法です。

現在は少額から始められる資産運用が何種類かあるので、投資に慣れる環境は整っています。まずは損失を被っても困らない程度の少額から投資を始めて、慣れてきたら徐々に投資額を増やすといいでしょう。

 

仕組みの理解できない投資法や金融商品には手を出さない

現在はさまざまな投資法や金融商品があり、中には仕組みが複雑で理解しづらいものもあります。そういった資産運用に「儲かりそうだから」「みんながやっているから」とよくわからないまま投資をすると、想定外の損失を被ることになりかねません。

知らない資産運用を始めるにあたっては、内容や想定されるリスクを確認し、理解できないようならやめる勇気を持ちましょう。

 

まとめ

初心者が資産運用を成功させるためには、リスクを軽減する方法を身に付けることが大切です。時には損失を負うこともありますが、そのようなリスクを上手くコントロールできれば、長期的には資産形成につながります。この記事で紹介した資産運用の種類やリスクを抑える方法を参考にして、資産運用を始めてみてください。

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