不動産クラウドファンディングを始める前に。知っておきたいリスク&利回りの考え方

2021.7.7

不動産クラウドファンディングが気になるけれど、「儲かるの?」「問題点はないの?」といった疑問がわいてきて、始めるかどうか躊躇している方も多いのではないでしょうか?本記事では不動産クラウドファンディングのリスクや利回りについて説明します。投資を始める前に正しい知識を身につけておきましょう。

 

不動産投資型クラウドファンディングとは

まずは、不動産クラウドファンディング(不動産投資型クラウドファンディング)の仕組みやメリット・デメリットについて説明します。

 

不動産クラウドファンディングの概要

不動産クラウドファンディングは、クラウドファンディングの仕組みを利用して不動産投資を行うことです。

 

クラウドファンディングとは?

インターネットを利用して不特定多数の人から資金調達する仕組みです。クラウドファンディングは、資金提供の仕方やリターン(対価)の受け取り方によって、次のような種類に分かれます。

種類 概要
購入型 事業者に資金提供し、商品やサービスによるリターンを受け取る
寄付型 事業者に資金提供し、リターンは受け取らない
投資型 事業者に資金提供し、金銭や株式によるリターンを受け取る
融資型

(ソーシャル・レンディング)

事業者に資金を貸し付け、利息をリターンとして受け取る

 

不動産クラウドファンディングは投資型

不動産クラウドファンディングの場合、通常は投資型のものを意味します。運営会社は投資家から集めた資金を使って不動産投資を行い、分配金を投資家に還元します。

なお、不動産クラウドファンディングは、不動産特定共同事業法にもとづく小口投資の1つで、「匿名組合型」に該当します。匿名組合型では、不動産の所有者名義は運営会社になります。各投資家は匿名組合員という立場になり、不動産の所有者になるわけではありません。

 

REITとの違い

不動産クラウドファンディングと似た投資商品に、REIT(不動産投資信託)があります。REITも投資家から資金を集めて不動産投資を行うものです。ただし、REITは証券化されており、株式と同様、証券取引所で取引されている点が大きな違いです。

 

不動産クラウドファンディングのメリットとデメリット

不動産クラウドファンディングには、次のような特徴があります。

 

少額からの出資で利益が得られる

現物不動産投資を始める場合には、まとまった資金が必要になります。一方、不動産クラウドファンディングでは、1万円程度から不動産投資ができます。1つの物件の投資金額を少なく抑えられるので、複数の物件に分散投資することも可能です。

 

入居者募集や管理の手間は不要

現物不動産投資をする場合、入居者募集や物件管理の手間が発生します。不動産クラウドファンディングなら、このような手間はかかりません。金銭を出資して金銭でリターンを得るだけなので楽に始められます。

 

運営会社や案件の安全性の判断が難しい

不動産クラウドファンディングには元本割れ等のリスクがあります。収益を得るには、信頼できる運営会社のもと、案件を選んで投資しなければなりません。

不動産クラウドファンディングは近年スタートした投資法なので、運営会社の実績が少なく、比較が難しくなっています。各案件についても開示されている情報が少ない場合があり、リスクの判断がしにくいことがあります。 初心者にとって運営会社や案件選びが難しい点は、デメリットと言えるでしょう。

 

不動産クラウドファンディングの3つのリスクと対処方法

不動産クラウドファンディングには、主に以下の3つのリスクがあります。リスクの内容と、リスク回避のための対処方法を知っておきましょう。

 

1. 元本割れリスク

不動産クラウドファンディングは、元本が保証された商品ではありません。不動産の価格が急激に下落した場合、投資した資金を回収できず、元本割れしてしまう可能性があります。

 

元本割れを防ぐ方法は?

元本割れのリスクに備えるためには、優先劣後方式を採用している運営会社を選びましょう。優先劣後方式とは、投資家が優先出資、運営会社が劣後出資を行うものです。利益が出た場合には優先出資者が先に利益を受け取り、損失が出た場合には劣後出資者から損失を負担することになります。

たとえば優先出資割合70%、劣後出資割合30%の場合、30%以上の損失が出ない限り、優先出資者である投資家には影響がありません。優先劣後方式かつ劣後出資割合の大きい案件を選ぶことで、元本割れのリスクを軽減できます。

 

2. 流動性リスク

不動産クラウドファンディングでは運用期間が決まっており、運用期間中は投資した資金を回収できません。REITのように売買できるわけではないので、現金化したくてもすぐにできないことがあります。

 

流動化リスクを回避するには?

不動産クラウドファンディングに多くの資金を投資してしまうと、急に現金が必要になったときに困る可能性があります。近い将来必要となるかもしれないお金は投資せず、余剰資金を投資するようにしましょう。

 

3. 信用リスク

不動産クラウドファンディングの信用リスクとは、運営会社の倒産のリスクです。不動産の直接の所有者は投資家ではなく運営会社です。そのため運営会社が倒産した場合、銀行などの債権者が不動産を差押し、投資家は投資した資金を回収できなくなる可能性があります。

 

信用リスクに備えるには?

運営会社を比較するときには、投資家を保護する体制が整っている会社を選びましょう。投資家の財産を運営会社の倒産から遮断する「倒産隔離」が行われているかを確認しておくと安心です。

 

不動産クラウドファンディングにおける利回りの考え方

投資商品は、利回りが高いほど効率よく資産を増やせます。以下、不動産クラウドファンディングの利回りについて説明します。

 

不動産クラウドファンディングの利回りはどれくらい?

不動産クラウドファンディングの平均的な利回りは4%程度です。ちなみに、同じく不動産に投資を行うREITの利回りも同程度になります。

 

おすすめの運用物件と利回りは?

運用物件ごとの特徴や利回りは次のようになっていますので、案件選びの参考にしてください。

 

ホテル・旅館

ホテルや旅館などの宿泊施設では、利回り3~5%程度のものが多くなっています。宿泊施設を対象とした案件の中には、募集総額1億円を超えるような大規模案件もあり、高利回りが期待できるものもあります。

なお、宿泊施設は観光客が多いかどうかで収益が変わってきます。新型コロナウイルスの影響により倒産するホテルも増加していることから、投資する際には注意が必要です。

 

アパート・マンション

アパートやマンションなどの居住用不動産の利回りは4~5%のものが多いですが、運営会社によってはもっと高利回りの案件も提供されています。ワンルームマンションなどは数千万円程度の募集額なので、すぐ上限に達してしまうことがあります。こまめに情報をチェックし、好条件の案件は早めに応募した方がよいでしょう。

 

オフィスビル・商業施設など

オフィスビルや商業施設に投資する案件は、数はそれほど多くありませんが、1億円を超えるようなものもあります。利回りは3~5%程度です。商業施設は景気の影響を受けやすいので、景気の動向を見て投資する必要があります。

 

まとめ

低金利の現在、預貯金に預けてもほとんどお金は増えません。不動産クラウドファンディングでは4%程度の利回りで運用が可能なので、資産運用の選択肢の1つとして検討してみましょう。なお、元本割れリスク、流動性リスク、信用リスクといったリスクがあるので、それぞれを軽減する方法を知っておくと安心です。

FUNDROPサイトはこちら

不動産クラウドファンディングを始める前に。知っておきたいリスク&利回りの考え方

https://onedrop-inv.com/article/7/

関連記事