不動産クラウドファンディングはおすすめ?メリット・デメリットを徹底解説!
不動産クラウドファンディングは、近年インターネット環境の普及とともに注目されるようになった、新しい不動産投資の手法のひとつです。今回は不動産クラウドファンディングの概要、従来の不動産投資との違い、メリット・デメリットや考えられる問題点を解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
不動産投資型クラウドファンディングの仕組み、他の投資方法との違いは?
不動産クラウドファンディングとは、主にインターネットやSNSを通じて出資者を募り、共同で不動産に投資をする仕組みのことを指します。複数の出資者から資金を集めてファンドに投資するという性質であるため、出資者(投資家)一人当たりの出資金額は少なくて済みます。
大きな投資資金を保有していない人でもおおむね1万円程度から出資できるため、気軽に運用を始められると人気があります。
利益は対象不動産の運用益など
不動産クラウドファンディングにおける利益とは、対象不動産の運用益などから発生します。簡単に言うと、入居率が高く家賃収入が大きい不動産であれば、それだけ投資家に還元される利益も大きいということです。
もちろん対象不動産の運用益が低迷しているときは、投資家に還元される利益も低迷するということになります。
他の投資方法との違い
現物不動産投資との違い
不動産を購入してオーナーになり、その家賃収入を利益とする投資手法を現物不動産投資と言います。現物不動産投資では1つの不動産に対してオーナーは一人ですが、不動産クラウドファンディングは出資者が複数いるため、オーナーも複数いるイメージです。
不動産クラウドファンディングでは、複数の出資者(投資家)ごとに利益も分配されることになるので、現物不動産投資よりは利益が少なくなる可能性があります。
一方で、現物不動産投資のように大きな資金が必要なく、少額から運用ができるので、その分リスクが少ないと考えることもできます。
不動産投資信託との違い
不動産投資信託とは、REIT(リート)と呼ばれる商品です。投資家から少額ずつの資金をファンドに集め、それをもとに不動産投資法人が運用していきます。不動産クラウドファンディングも同様に、少額ずつ複数の出資者から資金を集めます。
両者の違いは、投資先を自分で選べるかどうかという点です。不動産投資信託では、主に大規模ビルや商業施設など複数の不動産に投資をします。一方、不動産クラウドファンディングでは、対象不動産がどこのどのような物件であるか、投資家が自分で詳細を確認して選ぶことができます。
ソーシャルレンディングとの違い
不動産クラウドファンディングのうち、貸付型のことを一般的に「ソーシャルレンディング」と呼びます。貸付型という名称のとおり、これはクラウドファンディングへの出資というよりも貸付をするイメージに近いです。
資金調達として貸付を受けたい事業主と、出資をしたい投資家のマッチングを行うサービスとなります。
不動産クラウドファンディングで投資をする6つのメリット
ここまで、不動産クラウドファンディングの概要や他の不動産投資との違いについてまとめてきました。続いてメリットとデメリットについて解説していきます。
1:最大のメリットは小口投資できること
不動産クラウドファンディングの最大のメリットは、少額から投資(小口投資)が可能であるという点です。まとまった投資資金がない場合でも資産運用を始めることが可能です。
2:株価の影響を受けにくい
不動産クラウドファンディングでは、対象不動産の運用益が出資者に還元されます。運用益とは、単純に不動産の入居率などを指します。つまり、その不動産が満室であれば運用益が発生するということであり、国内外の株価の変動があっても、とにかく満室であれば良いということになります。
なお、不動産投資信託は株価の影響を受けることがありますので、その点においては不動産クラウドファンディングでの運用の方が安心できると考えられるでしょう。
3:他の資産運用より利回りが良い
不動産クラウドファンディングの想定利回りは、ほとんどの場合4%を上回っています。会社によっては10%を超えていることもあり、他の資産運用商品よりも利回りが良いという点はメリットと言えます。
4:出資するだけで不動産の管理・運営は不要
不動産クラウドファンディングでは、対象不動産に対して複数の出資者がオーナーです。また、その不動産の管理や運営は出資金の中から運営会社が行います。したがって、出資者は一定額を出資するだけでよく、不動産の維持等にかかることは一切しなくて済みます。
5:手続きが簡単
投資家は出資の申し込みをするだけで、あとの手続きは全て運営会社が代理で行います。出資の対象となる不動産の事前調査や選定に関しても、運営会社が行います。出資者は出資金の準備と、主にWebでの申し込みをするだけで簡単に運用を始められます。
6:優先劣後方式によって損失に備えられる
優先劣後方式とは、簡単に言うと出資者(投資家)を守る仕組みのことです。万が一損失が発生した場合でも、出資者から集めたお金を保護するために、先に運営会社の資金を使って運用が行われます。
優先劣後方式を導入しているかどうかは、投資前の参考資料等で確認できます。より安定して資産を守りながら投資を進めていくために、優先劣後方式を導入しているファンドから試してみるのも良いでしょう。
押さえておくべき、不動産クラウドファンディングのデメリットと注意点
おすすめのポイントがいくつもあるとはいえ、残念ながら絶対に安全と言える投資商品はありません。不動産クラウドファンディングも同様に、知っておいた方が良いデメリットや注意点があります。
1:元本保証がない
不動産クラウドファンディングのデメリットは、元本保証がないという点です。多くのファンドにおいて1万円から出資できるとはいえ、損をしてしまうこともあり得ます。
このことから、不動産クラウドファンディングは必ず余裕資金で行うようにし、少なくとも慣れるまでの間は少額で出資するようにしましょう。
2:出資したお金を回収できない可能性がある
不動産クラウドファンディングでは、対象不動産と出資者の間に運営会社が入ります。いわば取引の仲介をする形です。この運営会社はファンドであることが多く、未上場である場合もあります。
もし損失が出てもカバーできないというリスクも考えられ、出資したお金を回収できないという可能性があります。運営会社の選び方については後述しますが、これまでの運用実績などを必ず確認し、安心できる運営会社を選ぶようにしましょう。
3:途中引き出しは不可
不動産クラウドファンディングは、基本的に途中での資金の引き出しはできません。なぜなら、あらかじめ運用期間が決まっており、その間は解約ができないという契約になっていることがほとんどだからです。
したがって、いくら余裕資金の中で出資していたとしても、万が一のときに現金化はできません。不動産クラウドファンディングを行う際には、それ以外の現金資産を保有しておく方が安心です。
4:情報収集にはインターネット環境が必要
不動産クラウドファンディングは、SNSやインターネットでのやりとりが中心で、契約もほとんどの場合がインターネット上で完結します。つまり、興味はあってもインターネット環境に不慣れな場合は、そもそもの情報収集がうまくできないなどの不便さがあります。
特に人気のファンドでは、インターネットで情報が公開されてすぐに申し込みが殺到し、定員に達して受付が終了する場合もあります。
インターネットの利用に苦手意識を持っているなら、インターネットでのやりとりの他に代替の手段がないかどうか、運営会社にて事前に調べておくことをおすすめします。
不動産クラウドファンディングが成功するコツとは?
ここまで不動産クラウドファンディングについて、さまざまな角度から検証してきました。最後に不動産クラウドファンディングが成功するコツをまとめていきます。
分散投資を心がける
不動産投資も含め、投資全体の考え方として、リスク分散を心がけることは安全に運用を進めるコツです。投資金額や投資先を複数に分けてリスクを分散させることで、価格変動のリスクをなるべく少なくするメリットがあります。
不動産クラウドファンディングは1万円程度の少額から投資が可能なため、分散投資がしやすいと言えます。1つの不動産にこだわらず、いくつかの不動産に対して投資を行うようにしましょう。
対象不動産はマンションやホテルがおすすめ
不動産クラウドファンディングでは、出資する物件を自分で選ぶことができます。安定して長期間に渡って運用するためには、マンションやホテルなど、大規模物件で空室率が低いものを選ぶようにしましょう。
特にホテルへの出資が公募されている場合は要チェックです。人気の観光地にあるホテルは、恒常的に利用率が高い傾向にあると推測されるからです。
対象不動産の概要に関しては、事前に運用会社から提示されることがほとんどですが、自身でも情報を検索することで、さらに詳しい想定ができるようになります。また、同一地域のマンションやホテルの入居率や稼働状況を調べることで、投資を比較的安全に進めることが可能です。
リスクは事前に把握しておく
資産運用の種類のうち、不動産クラウドファンディングも含めた不動産投資全体は、ハイリスク・ハイリターンに分類されます。リスクの高い商品であるということを念頭に置いたうえで、自身のポートフォリオに組み込む際は、元本保証のある個人向け国債などと組み合わせることをおすすめします。そうすることで、自身の資産を全体で考えた際に、より安全な資産運用ができます。
信頼できる運営会社を選ぶ
近年人気がある不動産クラウドファンディングですが、信頼できる運営会社を選ぶことも投資を成功させるコツです。情報開示の内容が信頼できるかどうかや、会社の規模、運用実績など、投資家が知ることができる情報は事前に確認しておくようにしましょう。
運営会社を比較するWebサイトもありますが、必ず自分の目で確かめ、信頼できる運営会社で投資を行うことが大切です。
まとめ
不動産クラウドファンディングについて正しい知識があり、自分の投資スタイルに合致するようであれば、検討する価値はあります。現物不動産投資のように大きなお金を動かす必要もなく、ほとんどの会社では1万円から出資が可能です。少額から投資でき、対象不動産に関する事前調査・申し込みなどの手続きも運用会社が行ってくれるため、投資初心者にもおすすめです。